舌癌になってしまったら
「あなたは癌です。もう助かりません。」と言われたらあなたならどうしますか?
以前ほどではないと言っても、治らない病気の筆頭と言えば癌ではないでしょうか。
日本人は2人に1人が癌になります。3人に1人は癌で死にます。
それを聞くと、珍しい病気ではなくむしろ誰でもなる確率がある病気だと感じるかもしれません。
では、実際にあなたが癌になってしまったらどうしますか?
私の場合は30代で舌癌になってしまいました。
他人事としてとらえたら「かわいそうに」で終わってしまうのでしょうが、自分事の場合はそうは行きません。
色々な点についていっぺんに悩んでしまい、鬱になったり、自暴自棄になったりする人もいると聞きます。
ここでは、癌になってしまったら、どのようにとらえたらいいかを私の場合を例に考えてみたいと思います。
もし、あなたが現在、もしくは未来においてこのことを悩む必要がある場合のお役に立てれば幸いです。
私は元々技術者なので、仕事上良く困難に出くわします。
そうした時、ただ先送りにしていると事体は悪くなるばかりと言うのを日常的に経験していました。
そして、困難は分解して小分けにして考えるという方法を知っていました。
私にとって、舌癌であるということは大きな困難でしたので、この時も分解して考えることにしたのです。
自分の身体のこと
当然、自分の身体のことを考えないといけません。
ほおっておいたら癌は進行する病気です。大きくなったり、他に転移するようになったら、手遅れになってしまうかもしれません。優先順位的には、「癌の対処」はかなり上に持ってこざるを得ないと考えました。
つまり、仕事やお金よりも最優先事項です。やっぱり「生きている」と言うことが一番尊いです。
死んでしまったら、良いも悪いもありません。
出来ることは、出来ることすべてで悪あがきしてやろうと考えました。
病院の先生からは、手術で取り除いた方が良いでしょう、と言われましたので、出来るだけ迅速に手術を受けることにしたのです。この時、費用のことなどは一切考えませんでした。一番大事なのは「命」です。
それに勝るものはありません。
家族のこと
自分の身体のことも考えますが、私も家族の一員である以上、家族のことも考えました。
まずは嫁。嫁はしっかりしています。何かあっても生きていけると信じています。
正直、嫁に関してはそれほど心配はしませんでした。
子供についてはかなり心配をしました。
まずは、子供の将来が変わってしまうこと。父親がいなくなってしまったら収入が大きく変わります。
進学などにも当然影響が出ます。塾などにも行けなくなってしまうかもしれません。
「私のこと=子供のこと」の部分もあります。私だけの問題ではないのです。
最善は、病気を克服して以前と分かりなく働き、家にお金を入れ続けることができるようになることです。
やはり、私はできるだけ迅速に手術を受け、癌の脅威から逃れなければならないと思いました。
お金のこと
手術や入院の際は、当然お金が必要です。
手術にはいくらくらいかかるのか、入院とは何日でいくらくらいかかるのか、全く情報がなく不安に思っていました。
癌保険には入っていませんでしたので、医療保険だけで何とかなるのか・・・と思っていました。
後で振り返ってみると、医者としては「いくらか分からなかった」と言うのが本当だと思います。
手術の内容が決まらないと、その内容によって金額が異なる。
(実際、私の手術の時はお腹から植皮する予定でしたが、手術中に植皮をやめることになりました)
入院は、術後の経過によって日数が変わるので金額も変わる。
しかし、私が知りたいのは詳細の金額ではありません。だいたい2週間の入院なのか、1か月かかるのか。
費用は1万円なのか、10万円なのか、100万円なのかも分からないでいました。
初めての手術、初めての入院でしたので、全く経験がなかったのです。
詳細な見積もりではなく、ざっくりとどれくらい必要なのかの心の準備が必要でした。
それもわからず、不安に思っていたのを覚えています。
結局私の場合は、総額(おそらく)60万円程度でしたが、健康保険で10万円くらいまで下がり、医療保険に入っていたので、医療保険から20万円くらい頂いたため、手術代で困ることはありませんでした。
また、入院は約3週間で10万円でしたが、こちらも医療保険で1日1万円にしていたので保険で賄えました。
こちらに明細も掲載しています。
参考になれば幸いです。
テレビCMなどで、癌保険などについてやっていますが、本当に健康なうちに一度検討だけでもした方が良いと思います。癌になってしまったら癌保険には入れません。癌保険とは健康な人のための保険なのです。
こういった無料で相談できるところは、複数の会社の保険を扱えます。
そのため、特定の商品を推してくることはありません。
推してくる場合は、本当にメリットがあるものだからといえます。
ぜひ、元気な今のうちに。
仕事のこと
仕事は大事だと思います。でも、身体はもっと大事です。
私も、入院が必要だとわかった時、ある商品の組み立て、調整、移設、設置、試運転を行うことになっていたのです。
図面などもあるので、私がいなくても何とかなると思うのですが、手が減るという意味では何ともならない状態でした。そのため、図面の整理と荒組みまでは行い、最終調整は手順書を作っておいて、他の人に任せた状態です。
こういった準備だけでも結構な時間を費やします。
会社には事情を話していたので、大変ではあったのでしょうが快く長期休暇の許可をくれました。
また、サラリーマンの特権でもある「有給休暇」がたっぷり残っていたので、21日くらい取り、(土日などとつなげて)連続で1か月間休みました。
「任せた」と思っていたので、罪悪感などはありませんでした。
資料もできるだけ準備したので、何かあったらメールなどで対応すれば大丈夫、と。
最悪の場合、病室にその装置を持ってきてもらえばいいのだと考えていたのです。
結局、会社の人は病院に装置を持ってくることはありませんでした。
ここで、罪悪感がなかったのにはわけがあると思います。
私の場合は、先に「優先順位」を付けてしまったので、何が本当に大事か自分の中で答えを出していました。
仕事はそれほど重要ではありませんでした。
大事なのは、自分を含めた「家族」でした。
まとめ
自分が癌だと分かったら、自分にとって最も何が大切か優先順位をつけましょう。
癌になるということは、誰にとっても大事件です。
大きな問題は分割して考えるようにすると、考えやすいです。
人は中々割り切れませんので、紙に書いて「自分は今一番何を恐れているのか」をハッキリさせると大事な物も見えてくると思います。
手術代、入院代は何とかなります。お金のことを優先順位的に高くするのは避けましょう。
保険だけは、何か入っていた方が良いと思います。
健康なうちに相談してみましょう。
中立な立場のところがお勧めです。
仕事は大事ですが、本当に文字通り命をかけてまでやらないといけないものでしょうか?
社内の他の人に任せられることは任せましょう。
任せられる人がいない場合、事前に任せられる環境と人間関係を作っておくべきだと思います。
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