舌癌の完治判定に5年後死亡率が使われる理由
「舌癌がいつ治ったか」は別の記事でもお知らせしましたが、
確固たる基準がありません。
どの医者に聞いてもそれぞれの感覚で思っているだけで
医学的に「いつ治った」という基準はないのです。
復習のために、どういった説があるかお知らせします。
1)手術完了後に治った説
舌癌の手術では、ほとんどが外科手術です。
悪い部分は多めに切除します。
つまり、手術が終わった時点で癌は切除されています。
ただし、これはステージⅡまでと言う条件が付きます。
ステージⅢからはリンパ節まで癌が進行しているため
全身に癌細胞が廻っている可能性があるからです。
その場合、癌細胞が着床した部位で
新たに癌が転移する可能性があります。
2)最後の手術から5年経過した時説
病気の再発があるか、ないか、の判断として
「5年後死亡率」と言う物があります。
これは、5年後の死亡率、言うならば生存率を
示した数字です。
死因は問いません。
そのため、老衰でも死亡率は上がります。
舌癌の5年後生存率は90%以上と
ほとんどの人が生きています。
先ほどもお知らせしたように、老衰や交通事故による
死亡でも死亡率が上がります。
そのため、生存率100%はほぼありません。
90%以上と言うのはほぼ生きている、という数字と見ていいでしょう。
これまたステージⅢになると50~60%となりかなり下がります。
ステージⅣだと30%以下となりさらに下がります。
この数字から舌癌自体ではそれほど命を落とさないけれど
転移があると生存率がガクンと下がるとも見れます。
舌癌の生存率に「5年後生存率」を使う理由
さて、本題の「生存率」です。
生存率には、5年後生存率、10年後生存率、20年後生存率など
色々な数字があります。
なぜ、舌癌では主に「5年後生存率」が使われるのでしょうか?
私なりの考察も入ります。
まず、癌の予後を見ていく上で、5年後よりも
20年後どうなっているかの方が興味はあります。
5年大丈夫でも6年目によく再発しているようだったら
6年目が重要なデータと言うことになります。
しかし、20年間患者を追い続けることは非常に困難です。
20年間ちゃんと検査などに来る患者の場合は
データを取りやすいですが、何もないのに20年間も
検査に行き続ける人です。
日頃から色々と再発しないように心がけるでしょう。
なにせ、一度舌癌になって手術までしているのです。
「本気度」は健康な方には想像もつかないと思います。
逆に既に治ったと、高をくくって不摂生をした患者が
死んだとしてもそれを病院は捉えることが出来ません。
生まれた赤ん坊が成人するまでの時間。
それが20年です。
それほどの長い時間、人の状況を追い続けることは困難で
データの信憑性が下がってきます。
また、20年も経過すると医療の進歩が大きく進みます。
そもそもそのデータの重要性に価値を見出す人は少ないです。
過去の20年生存率と現在の20年生存率を比較する術はありません。
100年前の20年生存率と50年前の20年生存率は比較できます。
どちらも過去の情報の比較です。
なにせ、現在の数字が確定するのは20年後なのですから。
10年生存率は術後10年。
20年生存率と比較したら半分です。
少し現実的になりましたが、5年後でも90%以上の人が生きています。
さらに5年、何もない健康な人を追いかけ続けるのも
結構大変です。
そこで、5年生存率となっています。
20年も前の情報を言われても実際ピンときません。
しかし、正しく計れば計る程時間がかかるのです。
兼ね合いを計った結果が「5年後生存率」だといえます。
実際は「3年後生存率」のデータもありますが、
今後は差が出ないのかもしれません。
ほとんどの人が生きている、となると
「舌癌では人は死なない」と言う結果しか出てきません。
長すぎず、短すぎず、そして意味があるデータと言う意味で
5年後生存率が使われるのだと思います。
また、癌保険などは一度癌になると加入できません。
当然ですよね。癌になったことはない人に比べて
癌になりやすい確率が高いはずです。
支払が多くなると予想されますので、
通常の癌保険は受けて受けていません。
ところが、手術から5年経過するとこの縛りが外れます。
また癌保険に入ることが出来るのです。
あ、現在癌でない方は癌保険に入っていた方がいいと思います。
癌保険などは、無料で相談できる人を確保しておきましょう。
要らない保険まで勧められる可能性があります。
特定の保険屋さんの所属しないFP(ファイナンシャルプランナー)がお勧めです。
こちらでは無料で1人選べ、無料で色々教えてもらえます。
実際利用してみましたが、無理やり加入させられたりは一切ありませんでした。
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