舌癌になると嚥下(えんげ)障害を起こすのか
今回は「舌癌になると嚥下(えんげ)障害を起こすのか」です。
「嚥下(えんげ)障害」とは、簡単に言うと、「飲みこみ不良」です。
何かを飲みこむときに気管支に入ったりするのも嚥下障害です。
舌癌とは、舌の表面に癌ができることがほとんどです。
舌癌になったら嚥下障害を起こすのか?
中々舌癌の人には聞きにくい内容ですよね。
そこで、舌癌経験者の私が先回りしてお答えします。
まずは、嚥下障害について
嚥下障害とは
嚥下障害とは、主に喉に物を詰めたりすることです。
急いで物を食べたりすると喉に詰まらせてしまうことがあると思います。
喉に物を詰まらせたりすることは、当然誰にでもあります。
たまに起こっても失敗することはないです。
よく詰まらせる場合は何かしら原因があるかもしれません。
ご注意ください。
気管に物が詰まることがありますが、これは誤嚥(ごえん)と言います。
これも嚥下障害のひとつだといいます。
嚥下障害は一般的に、年と共に危険度が増していきます。
どういうことかと言うと、若いうちは喉を詰まらせても咳をするなど身体の自然な対応で処置できます。
ところが、高齢者になると、痰(タン)などでものどに詰まらせて窒息してしまうこともあるのです。
舌癌との関係
喉に何かを詰めるということは、喉や食道などに異物があることが考えられます。
つまり、消化器系に何かしらの障害がある場合に嚥下障害を起こす可能性があります。
舌炎、舌癌、口内炎、口腔内癌、扁桃炎、扁桃癌、咽頭炎、咽頭癌、食道炎、食道癌などが原因として考えられます。
この原因のひとつが「舌癌」と言う訳です。
私の場合
私の場合は、舌癌で2度手術をしています。
舌の側面だけでなく、口腔底と言う舌の付け根と歯の間の部分の皮も切除しています。
ここに皮膚を移植したわけですが、くぼんでいる部分に皮膚を張り付けても、ただくっつかないです。
押しつけ続ける必要があります。
そこで、風船内にガーゼを詰めて、それを舌と歯茎に縫い付けました。
図解するとこうです。
つまり、抜歯までの約1週間、舌がほとんど動かないのです。動かせないのです。
これで驚いたのが、自分のつば(唾液)が飲みこめないのです。
食べ物や飲み物どころか、自分の唾液が飲みこめないのです。
人は無意識で、唾液を舌で喉に送りこんでいるのです。そういう動きをしているのです。
私のように舌を縛り付けてしまうと、当然動きませんので唾液の飲みこみができません。
これも意識しませんが、口の中は唾液が常に出ています。
つまり、舌癌で手術をして入院した場合、舌が固定されているために飲みこみ不要、嚥下障害を起こします。
ちなみに、舌を固定している間の食事はこんな感じです。
どれが朝で、どれが昼で、どれが夜かもわかりませんよね(汗
そして、全てが「液」なのです。
米粒など1つもありません。
味噌汁にも具は全くありません。
これらを「飲む」のが食事です。
舌は固定されているのでとにかく飲みこめないのです。
喉の奥に入っていかないのです。
高齢者の嚥下障害とは異なりますが、舌癌患者ならではの嚥下障害が起こります。
手術をした直後は舌が固定されているので嚥下障害荷を起こしますが、消化器系の癌(舌癌を含む)になると、物理的に引っかかるので嚥下障害が起こりえます。
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